
毎週火曜日・金曜日に送信しているフェルミエメールマガジンのバックナンバーです。
Vol.1346 2016年2月16日(火)発行
本間るみ子の美味しいもの日記
「桜の香りの《ラ・ロッサ》」
週末は4月の陽気だったというのに、昨日から一転して冬に逆戻り。毎
日何を着たらいいのか悩んでしまいます。
先週末13日はクリスタルヨットクラブでのバレンタインクルーズを楽
しんで参りました。三田にある人気のイタリアン「ラ・チャウ」の馬渡シ
ェフのお料理に合わせて郵船商事が輸入したワインを楽しんだ後は、クル
ーズです。食事は停泊している船の中でしたから揺れはまったくありませ
ん。食後は会場を2階に移し、チーズとデザートとワインのビュッフェス
タイルでクルーズを楽しむという指向です。風はやや強いものの、あたた
かく気持ちいいくらい。たくさん用意したチーズは気持ちいいくらいにな
くなってしまい、参加されているお客様が楽しんでいらっしゃるのがよく
わかりました。
日曜日は奈良東大寺二月堂で行われた、麹谷宏先生はじめとする、六志
会による「ワイン茶会」に出席。3年ぶりの茶会ですが、日本とフランス
の文化が融合する素晴らしいアイデアと、人生を楽しむ彼らの生き方から
大いに学んでまいりました。昨日は久しぶりの休日を京都で過してまいり
ました。いつも食べることばかりが中心になっていますが、たまには心の
栄養も必要だとしみじみと感じて帰ってきました。エネルギーをチャージ
したところで、来週からの出張を控え、今日から原稿書きに集中していま
す。京都レポートは後ほどブログに書きたいと思っています。
さて、桜の風味のチーズといえば、共働学舎の「さくら」が有名です。
毎年さくらの開花に合わせて、春につくられる季節限定の人気のチーズで
す。フェルミエでも毎年販売しておりますが、入荷するとすぐに売り切れ
になってしまうことも多いので、事前予約をお勧めしております。今年は
2月下旬から4月中旬ころまで各店舗で扱いますので、お近くの店舗、あ
るいはオンラインショップでお申込み下さい。
※ 共働学舎新得農場 さくら
https://www.fermier.co.jp/products/detail.php?product_id=1460
そしてもうひとつ、桜の香りのチーズがイタリア、ピエモンテから届く
「ラ・ロッサ」(※)です。実はラ・ロッサの誕生も「さくら」と同じ頃
でした。すばらしい山羊乳製チーズを届けてくれる、ジャンニ・コーラに
ピエモンテを案内してもらったときのこと、イチジクの葉で包んだ「ロビ
オリーナ・フィア」の大ファンだった私は、日本の桜餅や柏、笹で包んだ
お菓子があることなどを、車の中で話していました。桜の葉の香りがすば
らしいと話しているうちに、好奇心旺盛のジャンニはピエモンテの桜をつ
かったチーズをつくり、すぐに送ってきてくれました。でも、日本の桜の
葉はそのまま食べることができるし、日本の桜葉を使ってみては?と、伊
豆は松崎町の塩漬けの桜葉を取り寄せ、イタリアに持っていったのです。
なんどか実験を繰り返して完成したのは、刻んだ桜葉を混ぜてキューブ型
に成形したものでした。10年前、2006年3月、フェルミエ20周年
を記念してリリース。あれから10年、刻んだ葉っぱは止めて、キューブ
型から丸い形になり、日本市場に向けて小さなサイズをつくってもらいま
した。震災後、イタリアでは日本の桜葉が使用禁止になり、2012年は
ストックでしのいだものの、2013年から完全にイタリアの葉に切り替
わってしまいました。葉は固くて食べることはできなくなりましたが、桜
の香りは強く、今ではフランスでも人気のチーズになりました。今年から
真っ白いフレッシュのシェーヴルではなく、ジオトリカムを少し使用する
ことでうっすらと表皮ができています。美しい白からやや黄色みを帯びた
外皮になりましたが、桜の香りをしっかりとまとい、中身はとろりと柔ら
かくなりました。進化している「ラ・ロッサ」をぜひお試しいただきたい
と思います。3月1日から販売になりますので、ご予約承り中です。
※ ラ ロッサ
https://www.fermier.co.jp/products/detail.php?product_id=2466