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今月のチーズのお話

2016 January

ボーフォール エテ <パカール社熟成>
ボーフォール エテ <パカール社熟成>

掲載日:2016/01/25

ボーフォール エテ <パカール社熟成>

ボーフォール エテ <パカール社熟成> 

フランスが誇る代表的な山のチーズ、「ボーフォール」。一年の半分を雪に閉ざされるサヴォワの山岳地帯で、牛たちは雪どけを迎える6月〜10月、ようやく広々としたアルプスの高原に放牧されます。ほっくりとした栗を思わせる味わい、上品なコク、豊潤な香ばしさを、サヴォワ地方の辛口の白ワインがより一層引き立てます。
かつて、グリュイエールの中のプリンスと称されていた「ボーフォール」。
スイス、イタリアと国境を接するアルプスの山岳地帯では、夏季放牧地で製造するチーズが冬の大事な
タンパク源になりました。
すべてのチーズに共通しますが、近代化の流れは、いかに大量の乳から大量のチーズを製造できるかの
追求へとつながっています。
アルプスの山々に囲まれた谷間で製造されていたボーフォールも例外ではなく、近代的なチーズ工場で
製造されるようになっていきます。長い冬の間を牛舎で過ごす牛たちには、夏季放牧地の刈り取った
干し草が餌となりますから、たとえ冬づくりでもボーフォールらしい上品な美味しさと旨みをたっぷりと
感じることができます。
一年の半分以上も雪に閉ざされるアルプスで暮らす牛たちにとっては、人間と同じように雪どけが
どれほど待ち遠しいことでしょう。
年によっても異なりますが、6月上旬、待ちに待ったアルパージュが始まると、牛たちは険しい山を
駆け上っていきます。まるで嬉しくてスキップしているように見えるほどです。
「ボーフォール・エテ(夏のボーフォール)」は、夏季放牧期間に美しいアルプスの放牧地の草を
食んだ牛のミルクからつくられます。
「ボーフォール・ダルパージュ(Beaufort d'Alpage)」と呼ばれるものは、夏季放牧期間に
標高1500m以上のシャレ(チーズ小屋)で、搾乳毎に1日2回の製造が義務付けられています。
そのため、牛たちが放牧される近くにシャレを持っていることも条件になるため、希少価値がグンと
高くなるというわけです。フェルミエでは毎年予約分のみ数玉が入荷しますが、
年内にはほぼ完売してしまいます。
エテはアルパージュほどの厳しい縛りはなく、夕方搾乳分を冷却し翌朝の搾乳分と混ぜ、1日1回の
製造が許可されています。かつて山の民は、搾乳したての温かい乳で製造していましたが、
シャレにおいても近代化が進み、冷却や加熱が容易にできるようになり、1日1回の製造でも充分に
美味しいものができるようになったのです。
いずれにしてもアルパージュもエテも「ボーフォール」生産量の10%にも満たない貴重品です。
日本は寒い冬の真っ最中ですが、ぜひ心地よいアルプスの風を感じていただきたいと思います。
プリンスの名に相応しい風格と上品な味わいをお楽しみください。