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今月のチーズのお話

2005 January

SAINT MARCELLIN AFFINE/サン・マルスラン・アフィネ 陶器入り
SAINT MARCELLIN AFFINE/サン・マルスラン・アフィネ 陶器入り

掲載日:2005/01/01

SAINT MARCELLIN AFFINE/サン・マルスラン・アフィネ 陶器入り

 サン・マルスランの歴史は15世紀に始まります。のちのルイ11世、ドーフィネ公がヴェルコールの森に狩りに出かけた時、突然熊に出くわしてしまいました。彼の助けを求める叫び声を聞いて、きこり達が駆けつけ熊を追い払い、未来のフランス国王の命を救ったのです。彼らはドーファン(王太子)を自分たちの小屋に連れて行き、日頃食べていた料理を振る舞ってもてなしました。そのときに食べたサン・マルスランが美味しくて、いつまでも覚えていた。・・・という話が伝えられています。 その当時のサン・マルスランは山羊乳製でしたが、20世紀になってから牛乳製になったのです。1870年に鉄道が開通し、美食の町リヨンへとチーズは広まり、山羊の乳だけでは多量の注文に応じられなくなったからです。 とはいっても所詮は特徴もない田舎のチーズ、リヨンのマルシェで細々と売られていただけでしたが、再び注目を浴びるようになったのは、リヨンの中央市場のチーズ商「ルネ・リシャール」のおかげでした。クリーミィな状態に熟成させた「サン・マルスラン」は、彼女の幼友達でもあった、かの有名なシェフ、ポール・ボギューズの目にとまり、「リシャール母さんのサン・マルスラン」といううたい文句でレストランのチーズプラトーに載ったたのです。それからは口コミで広がり、チーズショップでは、こぞって熟成を手がけるようになりました。その後、サン・マルスランはセック(乾いた熟成)ではなく、クリーミィなアフィネタイプが主体となり、今日ではチーズ工場でも作られるようになりました。 写真のコロンブ社を訪ねたのは6年前。石造りの古い井戸や農家の横にある小さな家族経営の会社でしたが、今はエトワール・デュ・ヴェルコール社に吸収合併されてしまいました。しかし、茶色の陶器に入った可愛いスタイルもクリーミィな味も当時のままです。 農家製はおろか、小さな工場も減少傾向にあるAOC申請中のサン・マルスランの年間の生産量はわずか3000トン足らず。そのうち農家製は200トンしかありません。もしAOCを獲得できたら、生産量は大きく伸びると期待しています。