12月のクリスマスシーズンの華やかなテーブルに。
オーヴェルニュからやってきた山羊ミルクのブルーチーズ。
地元の山羊農家からの願いをチーズに込めて。
フランス オーヴェルニュ地方のコミューン、ラカイユ市のチーズ生産者、ラカイユ社。フェルミエのお客様には、フルム ダンベール、ブルードーヴェルニュ、ブルー ド ラカイユなど、数々の伝統的で魅力あるブルーチーズの生産者として知られています。今回ご紹介するのは、そんな同社がつくる珍しい山羊乳製のブルーチーズ「ブルー ド シェーヴル」です。
山羊ミルクを使ったこの新しいブルーチーズは、約2年前ピュイ・ド・ドーム県とクルーズ県の境界付近の山羊乳生産者が、自分たちのミルクの価値向上をラカイユ社に依頼したことから生まれました。ブルーチーズを専門とするラカイユ社と協力し、地元のアルピーノ種の山羊乳を使用したブルーチーズを開発する試みが始まりましたが、山羊乳は牛乳、羊乳と比較して脂肪球が小さく固まりにくいため、ホエーがドロっとするなどの課題もありました。試作を重ね、山羊乳の風味が青カビのペニシリウム・ロックフォルティと調和し、最終的にはそのホエーを利用したクリーミーでパンに塗っても美味しいブルーチーズに仕上がり、M.O.F.(国家最優秀職人章)ロドルフ・ル・ムニエや、ロワール地方のシェーヴルチーズの名手ジャッカンにも「これはいけるよ!」と太鼓判をいただいたそうです。2023年末に販売が開始され、2024年の生産量は10トンを超える見込みだそうです。
山羊ミルク独特の風味を感じつつマイルドでクリーミーなこの味わいには、辛口または甘口の白ワインがよく合います。ラカイユ社の営業担当オリヴィエのおすすめは、コトー・デュ・レイヨンやポートワインです。くるみなどのナッツ類や洋梨などのフルーツ、ハチミツやジャムとも合わせやすく、溶かしてお肉料理のソースにしたり、キッシュやタルトなど、この12月のパーティーシーズンのお料理にも活躍します。
ラカイユ市の象徴的存在になっている「ラカイユ社」。
ラカイユ社は、1948年にラカイユ市のアントワーヌ・サルリエーヴ市長が旗振り役となり、第2次世界大戦の貧困から地域を立て直すために設立されました。1971年には協同組合となり、いくつもの伝統的なブルーチーズを生み出していきました。サンシー山麓の裾野にある標高950メートルに位置し、近隣の生産者から原料乳を集めています。農家1軒あたりの規模は小さいですが、大自然の中で育つ牛や山羊たちは、最高のミルクを私たちに与えてくれています。
最近では、2019年にEC販売をスタートさせ、コロナパンデミック期間にはオンライン販売が急激な成長を見せました。しかしながら昨今の高騰する輸送コストの負担も大きいため、輸送経費が抑えられるバザー等でも積極的にチーズを販売するようになり、会社に隣接する直営店には年間200万人が来店するようになりました。観光客も多いですが、近所にある美味しいパン屋のフランスパン自動販売機を目当てに近所から毎日100人ほどの人が来て、チーズも大量買いしていくそうです。週末やバカンスシーズンにはさらに行列もでき、ラカイユ市のパワースポットになっています。
▼ Fermier Buyer’s Comment
〜 フェルミエ バイヤーズコメント 〜
■「ブルー ド シェーヴル Bleu de Chèvre」
〜「青カビタイプ × 山羊乳」のハイブリットチーズ 〜
お待たせしました!
12月は、フェルミエでも初登場「ブルー ド シェーヴル」がお目見えです!!
ラカイユ社の渾身の一作は、チーズのプロ達もその出来上がりに唸った逸品とのこと。
今作は、現代のニーズに応えたアレルギー反応と縁遠い山羊乳を使用しており、従来の牛乳製のチーズより多くのお客様に楽しんでいただけるものかと思います。
フェルミエでは、山羊乳の商品といえば定番の「サント モール ド トゥーレーヌ」や「ヴァランセ」のような熟成を重ねて味に深みが増すようなシェーヴルタイプがほとんどですが、「ブルー ド シェーヴル」は同じ山羊乳でも、青カビタイプであり、口当たりも滑らかな柔らか食感のもの。まずは、そのままひと口…。ミルクのコクと余韻をお楽しみください。
もちろん生産者おすすめのパンに塗ってスプレッドとして召し上がるも良し、温めた生クリームに溶かしてソースとして使用するのも冬の寒い時期にはぴったりです。少し個性はありますが、そこが「青カビタイプ × 山羊乳」のハイブリットチーズならではの斬新で深い味わいを感じさせてくれます。
■「ブルー ド シェーヴル」のカット・保存方法
<カット方法>
水分が多く、生地が崩れやすいものが多いです。ワイヤーでカットすると断面がキレイに保てます。
<おすすめ器具(製品)>
ギロチン、オリジナルナイフ、ハンドリナー
<保存方法>
包装資材:二重紙、ラップなど
温度:10℃以下
保管方法:冷蔵庫の冷気吹き出し口の近くや他の食材からは離して保管をおすすめします。また、乾燥防止や他の食材への匂い移り防止の為にきっちりと包んでください。
注意点:表面に水分がある場合は、こまめにペーパー等で吸い取りラップや二重紙も取り換えるようにいたしましょう。
品質・状態:● 乾燥に弱いチーズです。乾くと食感が損なわれる可能性がありますので、きちんと包んで冷蔵庫で保管をして下さい。
● 塩分の味わいはホールによって微妙に違う場合がございます。毎回が必ず同じ味わいではないことは予めご了承ください。