ファットリア ビオ 北海道
「カチョカバロ」
南イタリア伝統の味
この10年間で日本のチーズ工房は300を超えるまでになりました。
個性あふれるオリジナルチーズが次々と生まれています。今回はファットリア ビオ 北海道 (北海道・札幌市)の
「カチョカバロ」をご紹介します。
表彰台に上がったのは、イタリア人?
ファットリアビオの存在を知ったのは、2014年10月でした。
CPA主催「ジャパンチーズアワード2014」においてカチョカバロとリコッタが金賞を受賞。モッツァレッラが銅賞と、初めてのエントリーで3つもメダルを獲得。表彰台に上がったのは、イタリア人でした。
南イタリアチーズの文化を伝えたい
さっそくアポを取り翌年1月に工房を訪ね、高橋廣行社長からお話を伺いました。ファットリアビオ北海道はイタリアのつま先、カラーブリア州の国立公園で有名なシーラ高原のラガロにあるアグリツーリズモ「Fattoria Bio」が本拠地です。シーラ高原はカチョカバロの故郷であり、いろいろなパスタフィラータや羊乳製チーズがつくられています。 一番町のイタリアン「エリオロカンダ」のオーナー、エリオ・オルサーラ氏の友人である高橋社長が日本に南イタリアチーズの文化を伝えたいと、チーズ職人のジョヴァンニ・グラッツィアーノさんを呼び寄せたのが2013年1月でした。
故郷を離れて、言葉も分からず心細かったと思いますが、高橋社長のお母さんがつくる家庭料理を食べながらホームシックにかかることもなく北海道の生活に馴染んでいったと言います。異国の地でチーズづくりに励み、果たして自分がつくったチーズが日本人に受け入れられるか不安でしたが、ジャパンチーズアワードに出品したチーズがすべて評価され、自信につながったといいます。2015年秋のフェルミエツアーで訪問し、ジョヴァンニの指導の元、モッツァレッラ製造を体験させていただいたことは懐かしい思い出です。
来日して8年、ジョヴァンニは結婚し、父となり、家族のために頑張っています。部下4人とパートさんが5人、事務、配送スタッフを入れると13人と、会社は大きく成長しました。安定したおいしさのカチョカバロをイタリア人のように大胆に召し上がっていただきたいと思います。