〜コンテを味わうチーズケーキ「BELL」の誕生〜 <コラボ企画> パティスリー レリアン松島啓介さんインタビュー
西荻窪の人気パティスリー「パティスリー レリアン」さんと、2026年3月に創業40周年を迎えるチーズ専門店フェルミエがコラボレーション。フェルミエが長年信頼を寄せるマルセル・プティット社の自信作「コンテ ド モンターニュ 12ヶ月以上熟成」が、チーズケーキになりました。

フランスでの修業を経て一流ブランドで経験を積んだ本格派、パティスリーレリアン(西荻窪)のシェフパティシエ・松島啓介さん。彼にフェルミエのチーズを試食していただいたところ、数ある候補の中から選ばれたのが「コンテ ド モンターニュ 12ヶ月以上熟成」でした。試作を重ね、ついにフェルミエのチーズの魅力を活かした逸品が誕生しました。今回は、そんなチーズケーキ「BELL」誕生の舞台裏を語っていただきました。


― 数あるチーズの中で、なぜ「コンテ」を選んだのでしょうか?
松島さん:いくつかのチーズで試作をしてみたのですが、コンテが一番“そのまま食べてもコンテらしい味わいがあり、焼いてもきちんと個性が残る”と感じました。お菓子にする時は塩味より甘みのバランスが大切で、その点でも理想的でした。
熟成違いも試しましたが、12ヶ月熟成は旨味とバランスがよく、甘みに寄り添う丁度良さがありました。さらにフェルミエのコンテは出荷直前にカットされるため、しっとりとしていて、生地感もなめらか。菓子作りに使いやすく、裏ごしが要らないほどです。バターやミルクとも抜群に相性が良いですね。
コンテはロットや季節ごとに味わいが変わりますが、あえて手を加えず、その時々の個性をそのままチーズケーキに落とし込んでいます。だから夏と冬で微妙に味が変わるのも面白い。電子レンジで少し温めると、また違った表情も楽しめますよ。
― パティスリーレリアンには定番の「フロマージュキュイ」もありますが、今回の「BELL」とはどんな違いがあるのでしょうか?
松島さん:「フロマージュキュイ」はクリームチーズを使ったシンプルなベイクドチーズケーキです。我が家で「おやつ」と言えば母の手作り菓子が多く、中でも大好きだったチーズケーキには身近に販売されているクリームチーズが使われていました。その頃の思い出を大切にしながらレシピを組み立てました。
一方で「BELL」は、フランス産のコンテと、母が使っていたものとは別のクリームチーズを合わせて作っています。コンテの豊かな旨みとコクを引き立てながら、クリームチーズのやさしい酸味を組み合わせることで、より深みがありながら上品な味わいに仕上がっています。


■松島シェフとパティスリー レリアン
― パティシエを志したきっかけを教えてください。
松島さん:もともと趣味でお菓子作りをしていたのがきっかけです。好きなことを職業にしたいと思い、大学2年の時に専門学校のオープンキャンパスに参加しました。それを機に大学を辞めて菓子の道へ。専門学校を経て就職し、2年半の下積みの後にフランスへ渡りました。
ブルターニュ、ロワール、ルーアン、パリ……各地で修行を重ね、日本語から完全に離れるために日本の本なども一切持って行きませんでした。若いうちにできるだけ吸収したかったんです。フランスには2年半滞在し、住み込みで修行を続けました。帰国後は都内パティスリー、レストランで経験を積み、またピエール・エルメやジャンポール・エヴァンでも知識や技術を学び、2018年西荻窪にパティスリーレリアンをオープンさせました。
「チーズが大好きだ」という松島シェフ。フランスでの修行時代も色々なチーズを食べていたのだとか。
「コンテを味わうチーズケーキ BELL」が完成した今も、チーズを使ったパティスリーへの探究心は尽きません。フェルミエを訪れるたびにアイデアが膨らみ、色々なチーズで試作をしてみたいと、新しい挑戦への意欲を隠しきれない様子です。
今回ご紹介のチーズケーキ「BELL」は始まりにすぎません。今後も松島シェフとフェルミエのチーズとのコラボレーションに、ぜひご期待ください。
■「パティスリー レリアン Patisserie Leslines」
東京都杉並区西荻北3-13-14 エスカイア西荻窪106(JR西荻窪駅北口から徒歩4分)
営業時間:11:00~19:00(3~9月は 〜18:00close)
定休日:水・木曜日(不定休日)
www.leslines.com
