6月は雨の季節 お家でシェーヴルチーズを白ワインと
お手頃サイズの食べやすい殺菌乳製シェーヴルチーズ。



シェーヴルチーズの名手ジャッカンが手がける安定した味わいのシェーヴル
フェルミエでも多くのシェーヴルチーズを取り扱っているジャッカン社のシャビシュー(ヌー)。殺菌乳を使用している為、テロワールの影響を受けにくく、比較的安定した状態を保てるのが特徴です。山羊乳の程よい酸味、ミルクの甘みに加え穏やかな味わい。シェーヴルチーズビギナーにもおすすめです。白ワインや泡と一緒にお楽しみください。
生産者であるジャッカン社の3代目、パスカル・ジャッカンは半径50km以内の農家から乳を集めてチーズを製造することに加え、農家でつくられたシェーヴルを熟成販売することにも力を注いできました。パスカルから4代目のロマンにバトンが渡されて10年以上が経ち、ロマンは地元の伝統チーズはもちろんのこと、世界中のチーズを集めて販売していきたいと意欲満々です。
4月にそのロマン氏を招いてフェルミエで開催した来日セミナーは大好評で、サントル地域圏のシェーヴルチーズの世界を牽引しているジャッカン社と、同社がつくるシェーヴルチーズの魅力を存分に伝えていただきました。


4代続くジャッカン社の飽くなき情熱
サントル地域圏のシェーヴルチーズの雄、ジャッカン社は、トゥレーヌ、ベリー、ソローニュの境界付近に拠点を置き、年間約2,000トンのヤギチーズを生産しています。ジャッカン社が誇るAOPのシェーヴルチーズ「サント モール ド トゥーレーヌ」「セル シュール シェール」「ヴァランセ」を生産するちょうど中間地点にあるというわけです。
創業は1947年。その始まりは、創業者のエイドリアン・ジャッカンによる卵とバターの販売でしたが、1955年より2代目のピエール・ジャッカンがチーズの製造・熟成を開始しました。3代目のパスカルとクリスチャンが1992年に工場を引き継ぎ、1994年から輸出を開始しました。チーズ業界に名が知られるとともに、工場の拡張や物流センターの構築など、会社はどんどん大きくなっていき、1997年には3,000平方メートルの敷地を有するまでになりました。
4代目のロマンは、ノウハウを引き継ぎ、今も多くの手作業による伝統的手法を大切にしながら、殺菌乳からは現代的なモダンなチーズ、無殺菌乳からは伝統チーズをそれぞれ別々のラインで製造しており、今では47の農家と契約し、製造しているチーズは35種類にのぼります。
山羊のチーズづくりや熟成は、工程がほとんど同じであるためシンプルですが、それが故に少しの条件変化で味が変わってしますため、複雑であるとも言えます。伝統だけでなく、革新的に現代の技術も取り入れて、より良いものをつくり上げていくことが必要なのです。3代目のパスカルはセル シュール シェール協会の団長を務めた人物。現在は息子のロマンがその後を担ってその情熱を引き継いでいます。創業以来、4代に渡り変わらず大切にしているのは、チーズの生産、熟成の知識を最大限に生かして、顧客の要望により応えられる情熱を持ち続けていること。そのために、それぞれのチーズに合った環境を用意し、酪農家と一緒に最適解を求めて日々工夫を重ねています。