10月は紅葉の季節。赤ワインや季節のフルーツとご一緒に。

初秋の時期にシードルと合わせて。

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偶然から生まれた「スティルトン」の魅惑の味わい。

イギリスを代表するブルーチーズ「スティルトン」。その誕生の起源は、たまたまある日、チーズに青カビが入ってしまった偶然によるもの。そこからつくられたこの魅惑の味わいのレシピこそ、「スティルトン」の歴史のスタートだったのです。18世紀初頭、ロンドンから北に向かう街道筋にあるスティルトン村の旅館「Bell Inn」(ベル イン)で客に供されていたこのチーズが大変好評だったことから、「スティルトンのチーズ」と呼ばれ、その名が広く知られるようになりました。
現在では、フランスの「ロックフォール」、イタリアの「ゴルゴンゾーラ」と並び、世界3大ブルーチーズにも数えられ、1996年には欧州原産地呼称保護(PDO)を取得しました。生産を認可されているのは、ダービーシャー、ノッティンガムシャー、レスターシャーの3州にある数軒の生産者だけ。フェルミエで取り扱っているスティルトンの生産者は、伝統的な製法を守り、すべてを手作業で行なう「クロップウェル ビショップ社」(CROPWELL BISHOP)。1847年から続く家族経営の生産者で、近隣の8軒の農家から年間5ヶ月以上放牧飼育されている牛の良質なミルクを使用してチーズづくりをしています。

円筒形のスティルトンにナイフを入れると、大理石模様に広がった青カビが美しく、ねっとりとした食感に上品な甘みと苦みが混ざり合った濃厚なコクがあります。熟成とともに茶色味がかり、ゴツゴツしてくる外皮とは裏腹にコクと旨みは一層増していきます。この伝統のスティルトンには、スパイシーな赤ワインや貴腐ワインを合わせても美味しく、ポート酒と練りあわせてペースト状にしてクラッカーにのせたり、季節のお野菜や果物に合わせたり、ブルーチーズソースとしてお肉料理にかけるのもおすすめです。

3代に渡るCROPWELL BISHOPの高い品質は地域の信頼から。

「クロップウェル ビショップ社」(CROPWELL BISHOP)は、ノッティンガムシャーのクロップウェル ビショップ村にあるスカイルズ家によって3代に渡って受け継がれてきた生産者です。
1847年に前身となる会社を設立し、ロンドンを拠点にチーズ、卵、バター、その他の食料品を供給していました。2度の世界大戦を乗り越え、企業買収なども経て、1973年にクロップウェル ビショップに移転し、2005年にそれまで工房名だったクロップウェル ビショップの名を社名としました。
同社の製品は、数々のチーズコンクールで賞を受賞しており、元になる高品質の原料乳を入手するために、定期的に農家を訪ねて乳の品質について話し合い、良好な関係を築いています。地域の雇用も守られ、家族のように信頼がおけるスタッフがいることで、現在の高品質が保たれているのです。

▼ Fermier Buyer’s Comment
 〜 フェルミエ バイヤーズコメント 〜

■「スティルトン Stilton」
 〜 イギリスを代表するブルーチーズは楽しみ方いっぱいです 〜

スティルトンと言えば青カビチーズの中で唯一チェダーリング製法で作られるブルーチーズ。チーズの生地を作る時に予めおからのようなポロポロとした生地を作り、塩をまぶしてから型に生地を詰め込みます。生地に塩を入れてから作るので他からの雑菌の増殖を抑え、中身が傷む心配がなくなります。また生地に塩をするため、他のブルーチーズに比べて塩味も穏やかです(ロックフォールやブルードーヴェルニュ等のブルーチーズは青カビ育成のために周りに塩をまぶして製造するのでしょっぱいのです)。
スティルトンを製造する会社は数軒しかなく、フェルミエではクロップウェル ビショップ社(CROPWELL BISHOP)のスティルトンを入れています。またスティルトンは8週間〜15週間熟成をされて、若い状態のものからマチュアと言われる熟成タイプまで色々な熟成状態のものがあります。アニマルレンネットやベジタリアンの方に対応するプラントベースのレンネットで作られるスティルトンがあったり、さらにはゴルゴンゾーラの青カビで作られるブルーチーズがあったりと、スティルトンから派生した青カビチーズが色々と楽しまれています。
イギリスでスティルトンを使った料理と言えばブロッコリーとスティルトンのスープ。スティルトンそのものを味わう場合はダムソン(DAMSON)と言われる深い紫色をした親指ぐらいの大きさのプラムの亜種のパテと一緒にスティルトンを楽しみます。イギリスではクリスマスに食べるチーズと言えばスティルトンと言われます。諸説ありますが長い間チーズが4月〜6月に製造されていて、寒い冬が明け、出産シーズンでたくさんのミルクがあり、子牛達にあげた後に残ったミルクでチーズを作り、6〜8ヶ月の熟成期間を経て、クリスマスぐらいに食べ頃になったからではないかと言われています。今回フェルミエではポルトガルのマディラと合わせた「F熟成スティルトン」(https://shop.fermier.co.jp/view/item/000000001722)をお届け致します。食べて良い夢を見て下さい。

■「スティルトン」のカット・保存方法

<カット方法>
水分が多く、生地が崩れやすいものが多いです。ワイヤーでカットすると断面がキレイに保てます。

<おすすめ器具(製品)>
ギロチン、オリジナルナイフ、ハンドリナー

<保存方法>
包装資材:二重紙、ラップなど
温度:10℃以下
保管方法:冷蔵庫の冷気吹き出し口の近くや他の食材からは離して保管をおすすめします。また、乾燥防止や他の食材への匂い移り防止の為にきっちりと包んでください。
注意点:表面に水分がある場合は、こまめにペーパー等で吸い取りラップや二重紙も取り換えるようにいたしましょう。
品質・状態:● 乾燥に弱いチーズです。乾くと食感が損なわれる可能性がありますので、きちんと包んで冷蔵庫で保管をして下さい。
     ● 塩分の味わいはホールによって微妙に違う場合がございます。毎回が必ず同じ味わいではないことは予めご了承ください。