「スーマントラン」はブルゴーニュ地方のヨンヌ県の緑豊かな小さな村、スーマントランが発祥地と言われます。かつてはピートの葉で包み2ヶ月ほど熟成させていたというチーズは、第二次世界大戦後、大量生産へとシフトする中で消滅していきました。乳を凝固するのに最低16時間かかる「エポワス」は生産が絶えて、1956年にベルトー氏が復活させたことで知られます。エポワスが注目されていく中でスーマントランもチーズ好きの人たちの話題にのぼるようになっていきました。生産者協会が発足し、仕様書を見直し、IGP(indication géographique protégée 地理的表示)を申請。2016年6月、IGPを取得したのです。さて、乳の凝固には最低8時間。型入れした後は脱水に最低20時間。壊れやすいデリケートなチーズは、型から抜いた後は塩水で最低4回洗って仕上げていきます。生産者は農家が5軒(生産量の23%)、チーズ工場は3軒(77%)。この数字から農家製が増えてきていることに驚きました。IGPを取得して生産量も右肩あがりなのでしょう。弊社が贔屓にしているのは、エポワスのブランドで有名なベルトーです。ベルトー社の2代目社長、ジャン・ベルトーは2015年に大手乳業会社に譲渡し、引退しましたが、その後もアドヴァイスは続けているのだといいます。 スーマントランは直径9~13cm、重量180~600gと生産者によって大きさが異なります。ベルトー社は400gが主流でしたが、200gのプティサイズをリリースしてから個人消費者に人気だといいます。表皮は淡い黄色、ウォッシュタイプらしい匂いはありますが、口に運ぶとなめらかに溶けていきます。旨味は強く余韻も長く続きます。冷蔵庫から出して室温に戻し、シャブリと合わせれば至福の時を楽しめることでしょう。200gでは足りない方のために400gもご用意しております。 11月はチーズ月間です。チーズライフを大いにお楽しみください。