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今月のチーズのお話

2015 December

マルゴ  Margot
マルゴ  Margot

掲載日:2015/12/28

マルゴ Margot

マルゴ Margot 

ピエモンテ産の地ビール(マルゴとキャンデリウム)が混ぜ込まれています。30〜90日の熟成を経た柔らかな質感の生地は、独特の酸味のなかにまろやかさとコク深さをもつ奥行きある味わい。繊細な風味をじっくりと味わっていただきたい逸品です。
アルプスの美しい山に囲まれたピエモンテ地方のビエッラ県。この地から世界に向けてビエッラ産チーズを発信しているピエール・ルイジ・ロッソ社は完成度の高いチーズの生産者として知られています。彼らの代表的な伝統チーズは、DOP認定のチーズ、「トーマ・ピエモンテーゼ」と「マッカーニョ」ですが、常に新しいチーズ製造にもチャレンジしているのです。
昨年2月にご紹介したのは、ピエモンテ産2種の地ビールを混ぜ込んだ「マルゴ」と、赤ワインのバルベーラ・ダスティが混ぜ込まれた「ゴリアルド」。華やかな香りとまろやかな味わいにリピーターも多く、どちらも人気を博しました。昨年9月には現地を訪ね、彼らの丁寧な仕事をしっかりと見てまいりました。
さて、名前の「マルゴ」ですが、王妃マルゴではなく、地ビールの名前。もう1種類は「キャンデリウム」というビールが使われています。45~60日の熟成を経ることで、生地はむっちりした状態に仕上がります。その後の3週間に3回キャラメルを塗ることで、美しいキャラメル色の表皮ができあがるのです。この表皮が中身をしっかりと保護する役目も果たします。さいごに、ロッソ社のマークでもある伝統的なビエッラのお祭りを描いたバッジ[王冠]を付けて完成です。
ミルクの風味が豊かなマルゴの美味しさの秘密は、まず原料乳の良さにあります。冬は牛舎で過す牛たちは、夏がくるとエルヴォ渓谷に放たれ、のびやかに過ごします。小柄で乳量は少ないものの、健脚で姿も美しく、プロテインの多い乳を出してくれるのがペッサータ・ロッサ・ディ・オロッパ(Pezzata Rossa d'Oropa)と呼ばれる土着の牛。取引しているのは、良質な乳にこだわる小さな近隣の乳生産農家ばかり。牛たちのおいしいミルクがあってこそ、おいしいチーズができるんだよと、ロッソ社の社長エンリコ・ロッソ氏は自慢します。
そのままでも火を通してもおいしくいただけます。独特の酸味にまろやかなコクが広がる繊細な味わいに合わせて、色々なビールとの相性を探ってみるのも楽しそうですね。