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今月のチーズのお話

2015 November

ラングル Langres
ラングル Langres

掲載日:2015/11/26

ラングル Langres

ラングル Langres 

ローマ時代から歴史のあるラングルの街で生まれたチーズです。熟成の段階で他のウォッシュタイプのチーズの様に反転させない為、上面にフォンテーヌ(fontaine=泉)と呼ばれるくぼみがあるのが特徴です。水分が多く目の詰まった組織をしていて、舌の上ですっと溶けていく感じと成熟した濃厚な味わいを持ちます。
2000年の歴史を持つラングル市は、遠くからもはっきりとそれとわかる高台にあり、周囲を長さ3kmの城壁に囲まれた街は中世の面影を残しています。
「ラングル」の特徴であるくぼみ、つまりフォンテーヌ(泉)の始まりは、反転を忘れたための失敗からでした。
他のチーズでは当たり前のように行われる反転を今でも敢えてせず、じっくりと熟成させながら泉ができるのをひたすら待ってつくられますが、均等な泉にするのは意外と難しいといいます。
多くの修道院チーズと同じように、製法は農家へと引き継がれ広まっていきましたが、現在では3軒の酪農工場と1軒の農家が製造するだけになりました。その中の1軒、ソーユールにある「シュルテンライブ」はスイスから1950年に移住。当初、マンステールやエマンタル(エメンタール)を製造していましたが、マンステールが1969年にAOCを獲得する際に、ソーユールが指定地域から外れてしまいました。
シュルテンライブ氏は悩んだあげく、息子のレネ&フランソワ夫妻と相談し、地元のチーズ「ラングル」を一から学び1973年に商品化、成功をおさめることになりました。その後、1986年のラングル協会設立も会社を後押ししてくれることに繋がり、AOC取得に向けてのプロモーションを開始します。ついに1991年、晴れてAOC(現AOP)を取得したことを契機に、更に需要が飛躍的に伸びていきました。
1997年には巨額を投資し、工場を新設。2011年にはレネの2人の息子、ダヴィッドとシリルに引き継がれ現在に至ります。現在登録される3軒の工場の中でもっとも規模は小さく、9名の従業員がいるだけの家族経営のスタイルを保っています。
さて、シャンパーニュとよく合うラングル。くぼみにシャンパーニュを注いでいただくのは最高の贅沢です。部屋の電気を消し、温めたマール(蒸留酒)を流れるほど注いで火をつけ、青く燃える炎を楽しむのはクリスマスらしい演出です。ラングルが溶け、高さが半分くらいになったところで火を消し、ゆっくりと召し上がってください。

※シュルテンライブはドイツ語読み、フランスではシュルテンレイヴと呼ばれます。