ナチュラルチーズ専門店&チーズ 通販のフェルミエ http://fermiershop.com

今月のチーズのお話

2015 August

マオン-メノルカ  “アルテサーノ”
マオン-メノルカ  “アルテサーノ”

掲載日:2015/08/03

マオン-メノルカ “アルテサーノ”
Mahón-Menorca

マオン-メノルカ “アルテサーノ” Mahón-Menorca

しっかりと塩をした後は、木の棚の上で、ひび割れを防ぐためパプリカとオリーヴオイルを塗りながらゆっくりと熟成されます。
地中海に浮かぶバイアレス諸島の一番東に位置するメノルカ島。スペイン継承戦争の最中に英国に占領され、約100年もの間、英国知事の住居が置かれていました。住居のあった港はマヨネーズの発祥の地として有名ですが、マオーあるいはマオンのふたつ表記がありどちらを採用すべきか長いこと議論されてきたようです。2014年、自治体の正式名称はカタルーニャ語名のマオー(Maó)とカステーリャ語名のマオン(Mahón)をハイフンでつないだマオー=マオン(Maó-Mahón)に変更されて一件落着です。マオー=マオン(Maó-Mahón)は地中海貿易の経由地であったため、チーズはここから海外へと運ばれていました。
メノルカ島は岩が多く、温暖多雨で、古くから牧畜が盛んに行われてきました。非常に強い風が吹くために、背の高い樹が育ちにくく平地が多い土壌です。風に運ばれた海水と高い湿度が潤す牧草を食んだ牛のミルクが、マオンの独特の塩辛さと酸味を生み出します。海外への輸出のほとんどはパプリカで化粧されたオレンジ色の殺菌乳製マオンですが、フェルミエでこだわるのはアルテサーノと呼ばれる無殺菌乳製です。
マオン農家を訪問したのは10年ほど前になりますが、当時は広げた布にカードを入れ、ホエーを絞り出すように紐で縛り、布の間からホエーがあらかた抜けたら、再び同じ作業を行っていました。布の四隅を中央に寄せ、紐で縛った状態でプレスするため、中央に凹みができ、クッションのような形に成形されていくのです。布を使うことで好みの大きさに成形することができる利点があり、それぞれが違った表情をもつようで、見ているだけで愛着がわくものでした。しかし、ここ数年の間に製法も近代化されたようです。型に布を敷きカードをいれて中央に布を寄せてプレス。アルテサーノの印だった結び目の跡はなくなってしまいました。しっかりと塩をした後は、木の棚の上で、ひび割れを防ぐためパプリカとオリーヴオイルを塗りながらゆっくりと熟成されます。
目の詰まったしっとりとした生地は、心地よい酸味としっかりとした塩味をもち、潮風を連想させる風味は郷愁を誘います。噛みしめる程に濃厚な味わいには、きりっと冷やした辛口の白ワインやシェリーはもちろん、日本酒や焼酎との意外な相性もお楽しみいただけることでしょう。
※マオンという名前で親しまれていますが、EUの公式名称はMahon-Menorca(マオン=メノルカ)でDOP登録されています。


マオン-メノルカ “アルテサーノ”
Mahón-Menorca
※「マオン アルテサーノ」から名称変更いたしました。
100gあたり 本体価格(税抜)800円(税込 864円)
●DOP 
●ハードタイプ 
●牛乳製 
●1ホール:約3kg
●スペイン メノルカ島産